日本ベンチャースポーツ連盟は、スポーツに広く関係する事業を展開することで、関係する環境の改善や捉え方を改革するために、根本的な現状の構造を改革を目指す団体です。
日本ベンチャースポーツ連盟 組織構想図
世の中には、コンテンツは良いものが多い中、「やる価値がない」という意味を含む「マイナー」という言葉を冠する「マイナースポーツ」と呼ばれるスポーツが多くありました。そのような一種差別的な視線を向けられるのでは、どうにも都合が悪い。何か良い呼び方・方法はないだろうか?学術用語として、ディベロップメントスポーツやニュースポーツ、インディペンデントスポーツという言い方があるものの、やはり弱者認定から抜けられていない印象を受けたり、Independentという単語が一般には難しすぎたり等、いろんな懸念がありました。そう考え2016年から提唱を始めたものが「ベンチャースポーツ」です。詳細はこちらの記事を参照ください。
当初、私がベンチャースポーツを提唱し始めたときには、あまり知られていないスポーツ、具体的には、サッカーや野球、オリンピック実施競技以外のスポーツ全般を指していました。
しかしながら、一般に「スポーツ」の正確な定義は、世界的にまだ曖昧であることが知られています。では「ベンチャースポーツ」も各個人や団体で思い思いのものを指せば良いのではないでしょうか? もちろん、これには「障がい者スポーツ」と呼ばれているスポーツや、頭脳を使ったマインドスポーツ、スポーツクリエイションにより生まれた新たなスポーツ、VRやeスポーツなどの最新技術を使ったものも、関係者の考え方次第で、「ベンチャースポーツ」と呼んでも良いでしょう。
現状では「(関係者が)『広めたい!』と思ったら、ベンチャースポーツ」としています。
さて、そのような多種多様なベンチャースポーツが存在する中で、日本ベンチャースポーツ連盟は、3つの側面を持ちます。(組織構想図)
まず第一に、ベンチャースポーツの発展拡大・認識自体の再定義を行う連盟組織です。協会のような統括組織ではなく、独立した競技の協会や企業が必要に応じて協力するための連盟組織です。そのような組織を確立するためには、多くの分野で活躍する異なる専門性を持つ人々のネットワークと意見交換が必要になります。
よって第二に、弊連盟は、スポーツエリアにおける「カレッジ」を目指します。
イギリスのオックスブリッジと呼ばれるオックスフォード大学やケンブリッジ大学は、創設以来800年以上にわたり、ありとあらゆる分野において、歴史的な偉人を輩出し続けています。その秘訣とされているのが、カレッジ制度です。
両大学では、学寮と和訳されるカレッジ制度があります。カレッジは、文学部や工学部、スポーツ学部などに所属し、専門性を磨く学生や教員が、生活を共にする場所です。カレッジでは各専門性を持った人々が、年齢・国籍・性別に関係なく、日々交流、議論を重ね、新たな着想を得たり、新たな取り組みを始めたりしています。このことが、歴史を変える取り組みにつながった例は、枚挙にいとまがありません。
日本ベンチャースポーツ連盟においても、各スポーツの競技団体のみならず、メディアや広告代理店、各種企業などの様々な異なる専門性を持つ人々が連携し、分野全体の発展を目指す場を創ります。
第三に、「社会実験組織」です。異分野の人々の交流や協力をしつつ、様々な活動をしていく中で、今までに前例がないような特殊な方法や、特殊な組み合わせを試みる機会が増えることでしょう。「この方法は、このスポーツでは有効であったから、似たような状況にある他のスポーツにも応用してみよう。」であるとか「この方法は、まだ見聞きしたことがない、上手くいくかもよくわからない画期的な方法であるが、試す価値はあるだろう」等、「サンドボックス」のような社会における基礎実験ともとれるような様々な実験をしていきます。
特に「ベンチャースポーツ」の業界は、独創的な方法が必要です。今までにも幾多の人々が、スポーツエリアの発展に挑戦してきたと思われるものの、残念ながら未だに改善はされていないのが現状です。これは既存の方法では上手くいかないことが、半ば歴史的に証明されていると言っても過言ではない状況です。このような多角的な方法を通して、突破方法を模索していきます。
その中で、スポーツのエリアを超えて、分野拡大や組織運営に応用ができる方法論が多く出てくれば幸いです。
以上、スポーツの発展拡大組織、異分野交流組織、社会実験組織である日本ベンチャースポーツ連盟をどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 日本ベンチャースポーツ連盟 代表理事・会長 篠原肇