アスリートファーストとレディーファースト -〇〇ファーストの真意-

スポーツやアスリートの業界と、他業界の似た仕組みや構造を持っているものを、マーケティングや広告、感情に流されることなく「心のスイッチを切って」見てきている「アスリートと〇〇」シリーズ。今回は「アスリートファースト」である。

オリンピックが近づくにつれてさらに輪をかけて言われるようになった「アスリートファースト」。これは一般的には「アスリート・スポーツ選手を第一に考える」という意味でつかわれていることが多い。このため東京都などが都合を優先すると「アスリートファースト」ではなく「都民ファースト」「協会ファースト」じゃないか!という意見がよく出ている。

アスリートファーストでなくリスペクトこそ必要

一方で、現代のスポーツ運営・アスリートの構造的な仕組み的な状態を考えると、アスリートはローマ時代の奴隷の剣闘士猿回しの猿使い捨てホッカイロのような状態になるのは、構造としてそうなっている。坂の上にボールを置くと転がり落ちる。これを逆に登らせるためには多大なエネルギーが必要になる。このように元となっている構造を変えるのは難しい。

さて、これは「アスリートファースト」意味を守っていないのだろうか?もしこれらのアスリートファーストの意味をお互いがその意味で使っているとすれば「アスリートファースト」の本来の持つ意味と「アスリートファースト」の意味として使っているものが立場によって乖離があることがわかる。

ここで元々の「〇〇ファースト」について考察することとする。「〇〇ファースト」で最もよく使われる表現は「レディーファースト」だろう。この「レディーファースト」どういう意味だろうか?

現代では「女性を大切に」的な意味でつかわれていることが多いが、元々の語源としては「女性を先に行かせて盾に利用する」ことや「女性に先に食べさせて毒味をさせて毒殺を防ごう」という使われ方をしていた。

■「女性を先に行かせよう」の意味のレディーファースト

私たちがイメージしているレディーファーストとは正反対の意味を持ちます。レディーファーストの習慣が生まれたのは、中世のヨーロッパといわれています。この時代は男性が中心であり、女性は立場が低い世の中でした。また、この頃に横行していた毒殺や暗殺を防ぐための防御策として、女性を男性の身を守る「盾」の役割として先に歩かせたり、食事を先に食べさせる「女性が先に=レディーファースト」が行われていたそうです。

https://halmek.co.jp/qa/430

要するに当時の男性中心の欧米社会で権力者であった男性を守るために、女性を使い捨てにしようという考えがこの「レディーファースト」である。この考えを「アスリートファースト」に応用すると、次のようになる。

協会やスポンサー、国・自治体などを潤わせるために、アスリートを使い倒そう。使い終わったら使い捨てにしよう」という意味になる。この意味でアスリートファーストという単語を解釈すると、現代のアスリートの扱いは、まさに「アスリートファースト」である。そもそもオリンピックの運営自体が巨大スポンサーである「アメリカのマスメディアファースト」である。

「心のスイッチを切って」惑わされないようにする力が、スポーツ関係の領域には必要と切に感じる例である。