「間接業務の完全自動化」を目指して

組織の透明化・見える化の課題

弊連盟では、「プロジェクトリーダー公開方式」を採用している。

この方式では、何か新しいことを生み出している人物の実績が外から見えやすくなり、個人の実績にもなる。

一方でプロジェクトになり得ない雑務に分類される、いわゆる間接業務のような単純作業や分類などは各個人の実績にならない。見方を変えると、実績にならない、いわばやるだけ「損」をする仕事ということになる。これでは、雑務をやるインセンティブがない。

間接業務の特徴を捉え、自動化をする

一般的に間接部門の仕事は、単純な同じ事柄を繰り返すものが多い傾向にある。同じ事柄を繰り返すのであれば、プログラムを組み、同じルーティーンを自動でコンピュータにやってもらったほうがミスもなく、労力もかからない。

ことに資金的にも人材的にも厳しい状況に置かれている、大半のスポーツを含む業界は、IT技術を効果的に駆使し、限られたリソースで、効果的な運営を目指すことを避けることはできない。

間接業務の完全自動化へ

上記を踏まえ、日本ベンチャースポーツ連盟では「間接業務の完全自動化」を目指す。

そうはいっても、資金がないので高価なシステムの外注は不可能である。そこで安価なサービスの利用や、自力での作製を行う。具体的にはフリーで使えるRobotics Process Automation (RPA)ソフトや、Google Drive, Google Apps ScriptやPythonなどのライブラリを駆使して構築していく。

ここまででは通常のRPAである。基本は同様であろうが、スポーツに特化する必要も出てくる。

ただコードを書くだけでは自動化へは遠い。データ処理の何が大変かというと、データベースに当てはまらないデータへの対応である。特にデータの取り扱いについては、入力されたデータが既に完全に近い形であれば、手動での修正や判断は、限りなく少なくて済む。よって入力されるデータが、運用しているデータベースに確実に収まるように入力者を誘導する必要がある。どうにかして運営者や参加者自体が、システムの中に内包できるように組み立てる必要がある。しかし、いったん効果的な方法が確立されれば、よっぽどな例外処理を除き、運営側が対応する必要のある部分がなくなる。

そうはいっても「現代の技術(と私の技術)では、どうしても自動化が難しい間接業務」も存在する。20XX年までにYY%の業務が自動化されるなどの研究や書籍も多くあるように、限界は存在する。

それらについての取り扱いや、解決策についても、この「ベンチャースポーツラボ」で、実験的な仮説と検証として組織運営を行った実例を公開していく予定である。

他のスポーツ団体にも応用が利くよう、以下の条件を課す。

  1. 可能な限りオープンソースやフリーソフトを利用する。
  2. 月額数万円以上の高価なソフトは利用しない。

今後さらにIT化・自動化が進む中で、特に実績になりづらい間接業務の概念自体を無くしていくことができれば幸いである。