日本の習慣と文化を生かした組織編成に関する実験と考察 -JVSFアンバサダー制度-

スポーツのエリアは、特に「ベンチャースポーツ」のような業界は、すべての分野で最も厳しいといっても過言ではない部類である。しかしながら、その特性上、様々な実験的な取り組みがしやすいという側面を持っている。それは組織編成についても例外ではない。弊連盟では、この特性を利用し、効率的な組織編成・広報の方式を仮説検証した。なお、学術論文ではないため、各種引用は省略している。予めご了承いただければ幸いである。

目的

本プロジェクトの目的は「効率的に、実質無費用で、情報流通と勢力拡大を行うことが出来る方法の確立」である。

日本の文化の活用

日本社会で何かに取り組むには、単純な輸入ではなく、日本の文化や習慣に適応した方法でないとうまく行かないことは幾多の例が示している。

名刺と肩書

日本には、名刺の文化が根付いている。外国でも日本人同士が出会うと、名刺を交換している場面を見にする。

一見これは、名刺という紙が重要なようであるが、それ以上に、ある人物がどのような団体のどのような職位であるか?が明記されている事実が重要なようである。

実際に日本の名刺では、肩書が先で、氏名がそれに続く。一方で一般的な欧米方式では、氏名が先で肩書が続くことが多い。

内と外の関係

さらに日本は、「内と外」の概念が非常に強力に働く。敬語にも表れているように、「内」である身内の人物と「外」である他人で明確な態度の変化が現れる。この前提おいては、身内の人材を効率的に増やすことが、効果的な勢力の拡大の方法となりうる。

参画者へのメリット

一方で、参画する方々にもメリットがないと、意味はない。資本主義下においては、対価を金銭で支払うことが一般的である。しかしこの業界は最も資金難に陥りやすい分野のひとつといえる現状がある。どうにか資金以外のメリットを提供する必要がある。

「労働」の捉え方

特に「ベンチャースポーツ」の分野では、「働く」ということ自体への捉え方を追求していく必要性がある。

働き方改革

昨今、日本では「働き方改革」が進められている。働き方改革で対象としている事象は、要するに、正社員か、非正規か、フルタイムかパートタイムか、などなど、文字通り「働き方」に関する改革である。働くこと自体への改革ではない。

副業禁止への対応

例外は存在するものの、統計的に考えれば、日本の「優秀な層」の人材は一部上場の有力な大企業に所属している傾向がある。これは、現状副業が禁止されている層との相関も高い。長期的に見て優秀な人材を参画いただくには、彼ら副業禁止である層をうまく取り入れていく必要がある。

仕事と趣味の違い

そもそも「仕事」とは何だろうか?これに対する最も一般的と考えられる回答は、「金銭的な対価を得ているか否か」である。

一方で、副業は禁止できても、趣味を禁止すれば人権問題となりうる。スポーツを含む業界、いわゆる「なくても困らない分野」では、仕事と趣味の境界が明確に引きずらい事実が存在する。仕事として取り組んでいる人と、趣味として取り組んでいる人が混在している。最も、個人の中でも仕事と感じる部分と趣味と感じる部分が大きくなりがちな分野でもある。

ノータイトル・メイシ・プロジェクト

上記を踏まえた方法として第一弾「ノータイトル・メイシ・プロジェクト」として、試験運転を始めた。

ノータイトル・メイシ・プロジェクト

この方法では、協力者へ肩書が無い名刺を発行する方法を試みた。団体の名刺であるが、肩書はない。アドレスは個人用で作製した。この方法では、グレーゾーンではあるが、肩書が無いのであれば、「サークルです。」といえば、問題がないのではないか?という結論に至った。

約束事として、普段は1枚目の本業や自分が取り組んでいる競技や事業を取り組み、もし様々な事情で「自分たちではうまく行かなそう」感じる案件場合には、こちらの肩書のない名刺で、弊連盟へ連絡をすることを勧めていただければ幸いである。くらいのスタンスであった。強制力はない。

例えば、参画団体へ協賛の問い合わせがあった際に「規模的にそんなことはできない」と感じる場合には、こちらに転送いただく、等の方法であった。これは、弊連盟を一つの業界としてみた場合に、各団体は小さく、外部から見た際に、見つけられないなどの問題を解消できる。同時に、他の団体あてに連絡がきた案件に対し、他の案件が最適である場合には、棚から牡丹餅のような状況になる可能性がある。以下図1のようなイメージである。

図1 本ノータイトル・メイシ・プロジェクト構想

企業の方は、この肩書が無い名刺で話をつなぎつつ、成功確率が高いと思われる方法を本業として成約すれば、特に新規の企画の成功率は飛躍的に上がる。半ば合法なインサイダー取引をひたすら続けることが出来る状況となる。

結果

実際に非常に効果はあった。このおかげて新たな参画や案件が増えることとなった。

しかしながら、この方式には、脆弱性が発見された。具体的には以下の2点が大きい。

  • 連絡をしていたと思っていたが、実際にはメールが届いていなかった。担当者がメールを見ていなかったことがあった。
  • 名刺を発行したメンバーは把握はしているが、肩書が無いゆえの責任範囲があいまいで、悪用された際の対応が難しくなる恐れがあり、管理リスクが上昇する。

結局ここで分かったことは、

  • 肩書を設定し、権限や責任範囲を明確にしたほうが良い。
  • 外部からの連絡が、確実に届く仕組みにしなければならない。

ということである。これを踏まえて第二弾を開始した。

JVSFアンバサダー制度

JVSFアンバサダー制度は、一定の審査の元、アンバサダーとして、参画いただく制度である。

JVSFアンバサダー制度

第一弾と比較すると、2点が異なる。

  • 肩書をアンバサダーとする。
  • メールアドレスは(連絡先) ambassador@venturesports.jp のみ

肩書によりアンバサダーの責任範囲を明確にすることで、もし悪用された場合のリスクの低減を計る。メールアドレス(連絡先)はambassador1つとし、連絡の見落としを極力防ぐ設計である。

もちろん連絡をいただく際に、誰の紹介であるかを尋ねることを確約する。

現在までのアンバサダーは、掲載してもよい方のみメンバーページへ掲載している。

一般社団法人から「アンバサダー」の肩書を受けることが副業としてとらえられてしまうのかどうかは、議論の余地があるとしても、「副業禁止」の人物は、少なくとも文句を言われる可能性はある。その場合には、ウェブサイトへの掲載をしないことで対応している。

アンバサダーの権限

アンバサダーのうち希望者は以下の権利を有する。

  • ウェブサイトへの掲載
  • 名刺の発行
  • 内部プラットフォーム・ネットワークを利用

なお、アンバサダーは直接的な団体への議決権を持つものではない。

一般的な「アンバサダー制度」との違い

一般的にアンバサダー(大使)というと、外交の窓口となる方法や、有名人を主に宣伝目的でアンバサダーに据えることが多い。人数は非常に限られている。構造上、外交やマスメディアを用いた方法であればそのほうが都合が良い。

一方、草の根的な部分が多くなる場合には、必ずしも限られた人数にしないほうが良い可能性がある。JVSFアンバサダー制度ではアンバサダーの人数は制限をしていない。この点が大きく異なる。

日本ベンチャースポーツ連盟は、JVSFアンバサダー制度を用いて、効率的な組織編成・改革を行っていきます。