ノータイトル・メイシ・プロジェクト

ベンチャースポーツラボの事業のひとつとして、弊連盟の肩書の書かれていない名刺の発行する「ノータイトル・メイシ・プロジェクト」を展開しています。

特に、組織が大きくなればなるほど、個人の思考と、組織としての決定の乖離の程度や可能性が大きくなります。個人や部署としては非常に興味があるが、組織全体としての決定としては難しい。

2019年現在、厚生労働省が提唱している「働き方改革」と2019年4月から施行されている「働き方改革関連法」があります。しかしこれらは、文字通り、働き方自体の改革ということにとどまり、労働という概念には縛られています。

働き方改革では、本業のほかに、別の仕事もする副業もありますが、現状いくつかの調査によると、約80%の企業が副業を禁止されています。特に優秀な方が多く、影響力も強い大企業では、さらに禁止されている割合が高くなるようです。この現状では、効果的な副業をベースにしたモデルのままでは厳しいことがわかります。

仕事との対比として趣味があげられます。そもそも仕事と趣味の差は何でしょうか?諸説ありますし、おそらく決着もついていないようですが、ここでは仕事が金銭目的の行動、趣味が個人的な楽しみとしておきましょう。

特にスポーツの領域をはじめとした娯楽や芸術に関連するような直接的な利益につながりにくいエリアでは、趣味と仕事が混ざり合っています。全く同じことをしたとしても、ある人によっては趣味で、ある人によっては仕事である場合もあります。プロとアマチュアが混在したスポーツチームは、まさにその例です。同一人物内でも趣味と仕事が状況によって変わることもあり得ます。

副業が禁止されている企業でも、趣味は禁止されていないことが大半でしょう。現状副業禁止は比較的受け入れられてきたものの、趣味を禁止した場合、下手をしたら人権問題になりかねません。

ところで「二枚目の名刺」などといわれるように、日本では所属と肩書、氏名が入ったカード「名刺」を非常に大切にします。渡し方や置き方などにも細かいマナーがあります。この傾向は世界でも珍しく、海外でも日本人同士の挨拶では丁寧な「名刺交換」が行われます。名刺は英語訳ではBusiness Cardと呼ばれますが、名刺は、寿司Sushiのように、Meishiとして、日本の文化として認識されつつあります。

これらを踏まえ、弊連盟では一定の審査の元、ノータイトル・メイシ・プロジェクトとして、肩書が無い名刺(および弊ドメインのメールアドレス)を発行しています。肩書が無いのであれば、趣味としてやっているというのが本人にも他者からの認識としても、受け入れやすいかと思います。

せっかく本業で真剣に取り組んできて、ようやく形になろうとした際に、組織全体としての決定では許可が下りず破談になるケースや、担当者が突然異動になるケースなどが、特に大企業では、頻繁に起きています。ベンチャースポーツをはじめ、前例が極端に少なく、先が読みにくい領域では、破談になった話でも、実際にはたまたまタイミングが合わなかったことや、組織や業界のちょっとしたほんの些細な変化で、もしかしたら成約につながる可能性もあったかもしれません。さらにこういった些細な変化や情報は、業界やコミュニティの外部からでは相当に見えにくいものです。その際に、趣味で参加しておいた際に得た情報を用いて、その情報を使い本業で成約を獲得するのは、巡り巡って本業での実績につながります。

また、競技や団体・アスリートなどにとっても「その条件では自分たちよりも、他のほうがよさそうである」と他団体を紹介しやすい状況にもなります。確かに短期的には成約につながらなくとも、長期的に見れば、お互いにとどまっておくことで、チャンスが増えていきます。さらに、普段とは全く違う考え方に触れる機会にもなります。副業をやってみたいけれど、どうやればいいかわからない、副業が禁止されている人にも対応が可能です。

このような多くの目的が異なる人々の、仕事と趣味の混ざり合いをうまく活用することで、新たな流れを創造することが出来るのではないでしょうか?

DNAが二重らせん構造であることを発見したのは、ケンブリッジ大学の研究所内の研究室や会議室ではなく、町中にあるパブでの飲み会での話し合いが元になっているという逸話のように、短期的な本業での評価や絶対に成果を期限内に出さないといけないというプレッシャーから解き放たれた、普段とは異なる状況のほうが、かえっていい案が出るきっかけとなり、長い目で見れば弊連盟がビジョンとして掲げる「構造革命」へつながるものと考えています。